Delicious!!

 

 

 

 ――その日、獣神官はメチャメチャ不機嫌だった。

 遠方まで反逆者の討伐に行かされて、ちょこまか逃げ廻るザコを一掃して帰ってきたかと思うと、机の上に山積みにされた提出期限間近の書類たち……いっそ職務放棄しようかとも思ったが上司の命令は絶対の縦社会のため、それも出来ず。
 黙々と…だがしかし、どす黒いオーラを放ちながら書類を片付けるゼロスの側に、もし低級魔族が近づいたならそのオーラに触れただけで滅んでいただろう……それほどその時のゼロスは不機嫌度MAXだった。何より愛しい黄金竜の恋人に3週間も会えていないのが致命的――…ようするにゼロスは非常に餓えていた。
「お腹が空いてます…。」
 書類も3分の2が片付いたころ、我慢しきれなくなって情けなく机に顔を突っ伏す。
 魔族の糧は生きとし生けしものの“負”の感情。その辺の街でも村でも襲って人間の恐怖を煽ればいくらでも満たされる……だが、彼は美食家になっていた。咄嗟(
とっさ)的に集めた人間の負の感情はどこか味気ない。美味しくないものよりは美味しいものを、それがゼロスの食事の基本となっていた。
 何故なら―…世界一甘美な味を知ってしまっていたから。
「フィリアさ〜ん……食べたい…。」
 フィリア本人が聞いていたら顔を真っ赤にして怒るか、『何が食べたいんですか?』ととぼけた答えが返ってくるか…恐らく後者だろうと思いつつ、再び残った書類に目を向けると物凄いスピードで処理し始めた。……ほんの一瞬前に『フィリアさん食べたい(願望)』から『食べる(確固とした意志)』へと進化していたから。
 己の目的(欲望)のためにかける熱意は凄まじく…ゼロスはものの1時間で全ての書類をきっちり揃えて獣王へと提出する。渡された書類に目を通して…獣王は呆れたようなため息1つと共に、
「しばらく休暇をやろう。ゆっくりしてくるがいい……が、あまり苛めすぎるなよ?」
「…ありがとうございます。」
 獣王様にはお見通しですねぇ…心の中でぼやきつつ、ゼロスは愛しい者の営む骨董屋へと足を運んだ。

 

 ――夜、読みかけの本に栞を挟んで、さぁ寝ようという時にフイに窓の外に誰かの…愛しいひとの気配を感じた気がして、フィリアはそっと窓を開いた。夜風と共に舞い込んできたのは漆黒のマント…見間違えるはずがない、あのひとのもの。
「ゼロス……」
「お久しぶりです、フィリアさん。」
「久しぶりです…!!――…でも、こんな夜更けにどうしたんです?」
 しばらく会えなかった恋人に久しぶりに会えたのは嬉しい。けど、いつもだったらどんなに前に会ったときと間隔が開いても、だいたいティータイムに現れるのに…?
「お腹が空いちゃいました。」
「…は?」
 再会して早々、何を言い出すんだろうこの人は……いや人じゃないんだけど。理解のできていないフィリアをそのままに、獣神官は部屋の中へと降り立った。
「もう我慢できそうもありません。」
「へ?」
 ゆっくりと抱き締めてくる腕は、いつもより力が篭もっていて。
「ゼロス…?」
「……いただきます。」
 熱っぽくフィリアの耳元に囁いて―…ゼロスはそのまま彼女をベッドに組み敷いた。
「きゃあっ!!」
 あまりの展開の早さに頭の回らないフィリアの寝具を次々と剥ぎ取っていく。
「えっ?!ちょっと、ゼロス……っん、んぅ…っ」
 言葉は、彼の唇によって閉じ込められて…彼の胸を叩くというささやかな抵抗すら封じ込められて。
「んぁ…っふ…!」
 目覚めさせられる感覚…呼び起こされる快感。
 いつしか、フィリアは口の中に侵入してきたゼロスの舌に自分の舌を絡ませていた。
「やっぱり…フィリアさん程美味しいものはありませんね…。」
 執拗な口付けの後ボソッと呟き、その唇を彼女の白い首筋、胸元へと移していく。
「やっ、あ…!」
 片方の乳房の突起を口に含まれて、フィリアは一層甘い声をあげる。きっとフィリア自身よりもフィリアの身体について知っているだろうこの高位魔族は、彼女の感じる場所を的確に責め上げ、饗宴の淵へと堕としていく。
「本当に、美味しい……。」
 愛しい娘の乱れた姿に目を細めて、獣神官は彼女のギュッとくっ付いた両膝に手を当てた。
「ん…あっ、やっ……!」
 閉じていた白い太腿を開かれて、フィリアは軽く身震いする。
 開かれた太腿の中心にある花は…蝶を誘う甘い蜜を大量に分泌していた。
「フィリア…」
 ゼロスが自分を“さん付け”無しで呼んだときは、もうどうにもならない証拠。
「!…っん!!」
 自分の中に侵入してきた異物に反応して、フィリアの肢体が小さく跳ねる。その隙にゼロスは彼女の背に腕を回し、しっかと抱き止めた。
「ん…あっ、あ…っ」
 ベッドの軋む音と甘い喘ぎ声だけが部屋に響き渡る。
 ゼロスが腰を打ち付ける度に脳天まで貫くような熱い…不思議な感覚に囚われ、その感覚から逃れようと脚を彼の腰に巻きつけるが、かえって逆効果で。更に腰の動きは激しくなるばかり。
 やがて―…
「ふああぁぁ――…っ!!」
 一際大きな嬌声を響かせると同時にフィリアの肢体が弓なりになり、やがてゆっくりとシーツに沈む。
 己の下で、荒い息をしている娘の艶かしい肢体を眺めつつ、
「夜はまだまだ…ですよ、フィリアさん。」

 

チュンチュン、チチチ…

 カーテンの隙間から朝日が射し込み、ベッドの中の2人を照らす。
 ぐったりとしている黄金竜の娘と対照的に、満足げな表情の獣神官。
「ご馳走様でした、フィリアさん♪」
 あ、でも今夜もご馳走になりますからね〜、しばらく休暇もいただきましたし♪
「もう…や、腰痛い……っ!」
 フィリアの腰痛は当分治らなかったという。

 

 

 

 

 

 

あとがき

……あのね。表の小説でもそうなんだけど、
裏だと更に感じることが…
あとがき難しいわーっ!!
何をどうコメントすれば…アワワ。
とりあえず…今回いいとこなかったですね、
フィリアちゃん…くたびれ損?(←爆)

 

 

 

 

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